最近では、履いている方をよく見かけるようになりましたが、タイトルの通り、私にとってこれを超えるスパイクシューズはありません。
これ以外のスパイクシューズはもう履けそうにありません。
購入した経緯
さかのぼること、10年以上前、初めての地磯に通いはじめて、買ったのは釣具屋に置いてある安いブーツにスパイクが付いている物でした。それまで海での釣りは足場の良いライトゲームくらいでしたので、しっかりとした装備は持っておらず、スパイクを履くとこんなにも滑らないのかと、びっくりしました。
次にシューズタイプが欲しくなり、奮発して買ったのがシマノのゴアテックス素材のシューズです。ソールは交換タイプでジオロックカットラバーピンフェルトソールキットです。フェルト、ピン、ラバーと各それぞれの良いとこ取りをしたようなソールでしたが…。
いまいちでした
期待して買ってはみたものの、想像していたよりもグリップせず、地磯では結構、滑るし、ピンも一日で曲がりました。比較的平坦な磯だったにもかかわらず、1日でピンが曲がってしまうのは正直がっかりしました。
そして、やっぱり、行き着いたのはこのマズメのスパイクシューズでした。
デザインや装備
耐久性
磯での釣りはつまずいたり、擦ったりと日常茶飯事ですがシューズとしても頑丈な作りです。最近行く釣り場は険しい山道やへずりと言った厳しい場面が多くなってきたのでこの写真をよりも傷や汚れが目立ってきましたが、まだまだ現役です。
タングステンのピン
そして、なんと言っても、このスパイクシューズの売りであるタングステン素材のピンです!
買ってみないと本当に違うのかどうなのか分からない上に価格も高めな事もあって、なかなか手が出しにくいと思います。新品と比べれば多少はすり減っていますが、一般的なスパイクピンと比べて、消耗のしにくさは一目瞭然です。
ピンの長さが一般的なスパイクシューズと比べて短いので、すぐに削れて無くなってしまうのではないかと不安に思いましたが、その心配は無用でした。高い所から磯へ飛び降りたり、ピンをひっかけたまま、踏ん張ったりとピンに相当な負担がかかっていると思いますが、曲がっている物は見受けられません。
タングステンピン以外にも靴底の形状により、スパイクシューズ全体を使う事でより一層グリップしやすくなっているとの事です。なるほど納得です。
水抜けが良い機構
スパイク部分だけに目が行きがちですが、機能、素材面も秀逸です。私自身、真鶴にある三ツ石などへ渡る場合、ウェーダーですと転倒した場合に危険すぎるので使用しません。
全てはこのスパイクシューズに身をゆだねることになります。
当然、膝くらいまでの水に浸かる事になる訳ですが、水切れが良く、シューズとしての造りも良いので足に負担がかかりにくい事から歩きやすさも抜群で、ピンの突き上げ感、長時間の疲れなども気になりません。
やはり、キャラバン社製のトレッキングシューズの靴型を使用しているのも大きな点かもしれません。各パーツの良い部分を惜しみなく使用した妥協のないスパイクシューズです。
山道でのグリップ
雨の後の山道など友人がラジアルソールで滑っている場面においても、このスパイクシューズは滑る頻度が少ないように感じます。
フェルトスパイクではすぐに目詰まりしてしまうような山道のシチュエーションでも、マズメのスパイクシューズはラジアル部分のソール形状が良いのか不安感なく、グリップしてくれているようです。
意外と嬉しいハイカット
あまり触れられませんが、長時間の磯歩きをする上で足首を守る、ハイカットも私的には大変、ありがたい限りです。
今までは駐車場からすぐに入れる危険の少ないゴロタの場合、身軽なモンベルのアクアソックを履くことが多かったのですが、身軽が故に浮石だったり段差があるとやはり足首をグギっとやりやすく、その点、このハイカットは安心感が違います。
最近は捻挫予防の為に必ずマズメのスパイクシューズを履くよう心がけています。
一見、ゴロタ場では歩きにくく、スパイクシューズの意味がなさそうに思われがちですが、キャスティングがしやすい場所は必ずと言っていい程、滑りやすい大きな岩がある場合が多いので、やはりスパイクシューズを履いていれば安心感が違います。
使用後のピンを比較
左が新品、右が3シーズン使用です。そこまで頻繁に使ったわけではないものの、ほとんど変わらないのがお分かりいただけるのでは無いでしょうか?
一時期、在庫が0になった時、もしかしたら生産が終了してしまうのでは無いかと思ったので、マズメに問い合わせて、次の生産を教えてもらい速攻で購入しました。それくらい偽りなく信頼している証拠です。
お手入れ&乾燥
毎回、帰宅してすぐに水洗いをし、潮を抜くようにしています。
釣行後のお手入れとして洗う時もソールは取り外せる上、乾燥しやすい素材となっています。市販の柔らかいソールを入れても良いとは思いますが、現在も破れなどはないのでそのまま使っています。
思いつく欠点
- 価格が高い
- 紐が微妙に長い
くらいでしょうか?
一周巻けば問題なし
紐については愛用されている方々がそれぞれ工夫されているようですが、私は購入時から足首で一周巻いて使用しています。
一周巻くと意外と短くなるので解けてしまいそうな感じではありますが、紐の材質が良いのか、西伊豆の不安定なゴロタ場、吉田大根などの落差がある巨大岩を長時間歩いても途中で紐が解けた事は現時点では一度もありません。
巻く事によって足首も適度に固定されて捻挫の予防にも繋がります。靴紐も上部3点がひっかけるタイプなので、履くのも脱ぐのも容易です。
サイズ感
スパイクタイプ
ちなみに私は普段、26.5cm〜27cmのスニーカーを履いていますが、このスパイクシューズのLL(27cm〜27.5cm)でちょうど良いです。
夏場は濡れる事を前提として、ソックスはモンベルのウィックロンの5本指を愛用しています。速乾性もあり、濡れても不快感はありません。使用するソックスによっては多少の余裕が欲しいので1サイズ大き目を選んでいますが、紐で細かく調節できるので歩きにくさは感じられません。
フェルトタイプ
磯メバルの時は立ち込まないのですが波除けとしてストッキングウェーダーを履きます。使っているウェーディング用のシューズは他社のフェルトスパイク(ピンが小さくおまけ程度についているやつ)ですが、どうしても赤いコケ系の上ではツルツル滑って怖いので、マズメのフェルトスパイクシューズを買おうかなと検討したりしました。
3mm厚くらいのストッキングウェーダーですが、試しに通常のスパイクタイプのLLサイズで履いてみた所、ちょっと無理そうでしたので3Lを選ぶしかなさそうです。しかし、冬場しか使う機会もなく、試せない事もありちょっと怖くて購入する決断ができずにいたら、昨今の品薄で買う事も難しそうです。(2022年2月メーカー直販分は瞬殺だった模様)
潮がひいたゴロタや磯などの苔天国な場所ばかりで、山道やテトラ、堤防などにはあまり行かないので、個人的な用途で考えるとフェルトタイプよりも、結局、ウェーダー用もこのスパイクタイプを選んだ方が良さそうかなと思っています。
サイズ感は個人差があるので参考程度にどうぞ。
まとめ
ゼナックのミュートスもそうですが、ついにこのスパイクシューズもメーカーから転売禁止の警告が出るまでになってしまいました。幸い予備があるのでしばらくは買う予定はありませんが、なぜか愛用しているものが手に入りにくくなってしまったものばかりです。
私自身、以前からこのスパイクシューズは知ってはいたものの、タングステンピンの効果や価格なども重なり、別のスパイクを購入した経緯がありますが、やはり最終的にこれに行き着きました。
価格は高くても、足元の不安感は無くなりますし、通常のピンよりは長く使え、他のシューズに目移りすることは無くなると思います。安心できるスパイクシューズを探しておられる方にはおすすめです。
最初から買っておけば良かったなと思います。
釣り禁止の場所が増えたり沖磯へなかなか行く機会が取れず、スパイクシューズを履く頻度が減ってしまっているのですが、もっと酷使してあげないといけませんね。そして、予備はあるものの、これから先も廃盤にならないことを願うばかりです。
ライフジャケット同様に、スパイクシューズは命綱の一つですから…。